陥没した穴には4tトラックが転落してしまい、陥没から5日経った今も救助ができていません。
この記事では、該当の道路が陥没してしまった原因と、どこの施工業者が請け負った可能性があるかを調査しました。

埼玉県八潮市の陥没事故の概要と影響
1/28(火)、埼玉県八潮市の県道で道路が陥没しました。

穴の直径はおよそ5メートル、深さはおよそ10メートルあるということです。
現場にはトラック1台が転落し、運転手の男性(74)が1人取り残されています。
復旧作業終了まで下水道の使用を抑えるよう呼びかけられている地域はこちらです。
さいたま市岩槻区、川口市の一部(国道122号線の東側)、春日部市、草加市、越谷市、八潮市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町、宮代町、杉戸町
また、東日本電信電話株式会社によると、この事故により一部地域で固定電話や通信サービスが利用できない状態が継続中だということです。
県警草加署や消防によると、男性は事故後、数時間は会話ができる状態でした。
しかし、土砂が運転席付近に流れ込み、救助隊が近づけない状況になっているそうです。
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新しい陥没も
2/1追記
大きな一つの穴になったことで、さらに水が流れ込んでいます。
陥没直後の直径はおよそ5メートル、深さはおよそ10メートルが、
2/2時点では、直径最大約40メートルで、深さ約15メートル
うち約8メートルが土砂などで埋まっています。


消防によると、穴の幅は最大約40メートルで、深さ約15メートルのうち約8メートルが土砂などで埋まった。
トラックの運転席は土砂に埋まったままで、二次災害の恐れから、救助活動は進んでいない。
引用:東京新聞
トラックの運転席が直径4.5mの下水管に落ちてしまった可能性も考えられるとのことです。


以下の画像は、発生初日(左)と5日後の2/2(右)の穴の比較画像です。
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事故の原因
中川流域下水道管の破損によるもの
報道では、現場近くを流れている”中川”流域の下水道管破裂によるものではないか、という内容が公開されました。
日本の交通インフラは高度経済成長期に一気に発展したと言われています。



今後はこのような陥没がどこでも起きる可能性があるとされています
①陥没の原因について、専門家はこう指摘しています。
『陥没現場は下水管のカーブになっていたところ。生ゴミなどの有機物が溜まり、硫化水素が水道管を溶かした可能性がある』
②トラック運転手の救助にあたり、29日午後11時頃、穴に流れ込む水の量を減らすために下水管の上流部から汚水を吸い込み塩素で消毒してから川に流す緊急放流を始めたとのことです。
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地質的な問題
SNSの声を見てみると、現場は1960年代まで農業用の水路が道路の下にあった、という内容も散見されました。
考えられる状況は二通りだと思います
— なかせよしみ @1月26日(日) 板橋区立グリーンホール 6F 601会議室「MGM2_44」21 (@yosimin) January 28, 2025
1.かつての水の流れが地下にまだあり、それが道路面の下の土を押し流し空洞ができた。
2.灌漑用水路の上に、あまり強度がない橋かけられて道路が通されたが、その後、橋が地下に埋められ、道路の交通量が増えて荷重に耐えきれずが地下でその橋が崩落した。
施工業者(工事監理会社)はどこ?
調査が進むにつれて業者は判明するかと思われます。
今回の事故は供用からおよそ45年経過した下水管が腐敗したものと考えられています。
施工業者が問題というより、国や行政が古い水道管を放置してしまった点も原因の一つなのではないでしょうか。
特に埼玉県の八潮市・越谷市付近では近年陥没事故が多く発生しています。
自治体が適切な管理計画を立てられていなかった場合、施工業者や工事管理会社の管理や計画がずさんになっていたかもしれませんね。


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越谷市との事故の関連性
埼玉県の陥没事故は直近5年で3件以上発生しています。
①国道4号下り車線での陥没
2022年1月25日には越谷市の国道4号下り車線で原付バイクに乗っていた女性が陥没箇所により転倒し、一時意識不明になっていました。
→現場は大成ロテック株式会社が施工していることが分かりましたが、施工不良を認めるまで半年以上かかっています。
②国道4号大間野交差点付近での陥没
2024年7月24日にも、今回の陥没現場から約10km離れた越谷市の国道4号大間野交差点付近で”地下水路の破損”による陥没事故が起こっています。


引用:日経XTECH
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まとめ
今回の事故は、中川流域下水道管の破損による下水道管の老朽化が原因ではないかと言われています。
また、施工業者についてはまだはっきりとは分かりませんでした。
巻き込まれてしまったトラック運転手の無事を祈るとともに、早期の復旧を願うばかりです。