埼玉県八潮市の県道54号「中央一丁目」交差点で起きた陥没事故が話題です.
陥没した穴には4tトラックが転落してしまい、陥没から9時間経った今も救助ができていません。
この記事では、該当の道路が陥没してしまった原因と、どこの施工業者が請け負った可能性があるかを調査しました。
埼玉県八潮市の陥没事故の概要と影響
1/28(火)午前9時50分頃、埼玉県八潮市の県道で道路が陥没しました。穴の直径はおよそ5メートル、深さはおよそ10メートルあるということです。
現場にはトラック1台が転落し、運転手の男性(74)が1人取り残されています。
復旧作業終了まで下水道の使用を抑えるよう呼びかけられている地域はこちらです。
さいたま市岩槻区、川口市の一部(国道122号線の東側)、春日部市、草加市、越谷市、八潮市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町、宮代町、杉戸町
また、東日本電信電話株式会社によると、この事故により一部地域で固定電話や通信サービスが利用できない状態が継続中だということです。
県警草加署や消防によると、男性は事故後、数時間は会話ができる状態でしたが、土砂が運転席付近に流れ込み、救助隊が近づけない状況になっているそうです。
クレーンにつり下げられ救出作業にあたった男性隊員2人が崩れてきた土砂で軽傷を負っています。
新しい陥没も
▶1/29(水)7:21追記
その後の報道で、救助活動中にさらに穴が広がっていることが分かりました。
未明にトラックの荷台部分の引き上げは完了しましたが、運転者の安否は分かりません。
運転席付近まで土砂が流れ込んでいるとのことです。
午後3時には、土壌の状態が悪く救出作業を一時中断していましたが、夜にまた再開したとのことです。
埼玉県八潮市の県道で道路が陥没しトラックが転落した事故から一夜。運転手とみられる男性の救助作業が続いています。現場には新しい陥没(写真下)ができていました。
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) January 29, 2025
写真特集→https://t.co/5gwVZgeP47 pic.twitter.com/WPmjdyHvlP
八潮の陥没事故だけど陥没箇所から少し離れた電柱と看板が地下に沈んだ上に200mの範囲に避難指示が出たって事は、想像以上に地下の広範囲の土砂が流されて空洞化してるって事か…
— 猫ゲーマー (@fate565) January 28, 2025
下水管の位置的に道路に沿って陥没がまだまだ広がりそうな感じはあるよな。 pic.twitter.com/PntRMUrKB8
事故の原因
中川流域下水道管の破損によるもの
報道では、現場近くを流れている”中川”流域の下水道管破裂によるものではないか、という内容が公開されました。
日本の交通インフラは高度経済成長期に一気に発展したと言われており、多くの道路や水道管が供用から50年を迎え、老朽化が目立っています。
県は、救助活動を優先させた上で、現場の下水道管を確認して原因の究明にあたり、必要に応じて復旧工事を行うほか、ほかの下水道管についても異常がないか緊急点検を実施するとしています。
また、5年前の調査で今回の事故の500メートル上流の地点で下水道管が腐食していることがわかり、今後、修繕工事を行う予定だったということですが、今回の陥没との関係については現時点ではわからないとしています。引用:NHKニュース
▶1/30追記
①陥没の原因について、専門家は『陥没現場は下水管のカーブになっていたところ。
生ゴミなどの有機物が溜まり、硫化水素が水道管を溶かした可能性がある』
との情報があります。
下水に含まれる生ゴミなどの有機物から硫化水素が発生し、空気に触れることで硫酸となって水道管を溶かし、その穴に徐々に土砂が流れ込むことで地中に空洞ができていた可能性があるということです。
引用:NHKニュース
②トラック運転手の救助にあたり、29日午後11時頃、穴に流れ込む水の量を減らすために下水管の上流部から汚水を吸い込み塩素で消毒してから川に流す緊急放流を始めたとのことです。
地質的な問題
SNSの声を見てみると、現場は1960年代まで農業用の水路が道路の下にあった、という内容も散見されました。
道路が陥没した場所を「今昔マップ」で確認したら、1960年代まで農業用の灌漑水路が道路の下をくぐっていた場所っぽいですね。https://t.co/Xm0cQplsuD https://t.co/Izqq9eAWux pic.twitter.com/6eKLqnQVJZ
— なかせよしみ @1月26日(日) 板橋区立グリーンホール 6F 601会議室「MGM2_44」21 (@yosimin) January 28, 2025
考えられる状況は二通りだと思います
— なかせよしみ @1月26日(日) 板橋区立グリーンホール 6F 601会議室「MGM2_44」21 (@yosimin) January 28, 2025
1.かつての水の流れが地下にまだあり、それが道路面の下の土を押し流し空洞ができた。
2.灌漑用水路の上に、あまり強度がない橋かけられて道路が通されたが、その後、橋が地下に埋められ、道路の交通量が増えて荷重に耐えきれずが地下でその橋が崩落した。
八潮市の道路が陥没した交差点
— 東雲 (@00shinonome00) January 28, 2025
地質図で確認すると河川・海岸平野堆積物と自然堤防堆積物のちょうど境目となっている
コンクリート構造物と盛土の間に空間ができやすいように異なる特性の堆積物同士の境目でもやはり空間が生じやすいと考えられますね pic.twitter.com/FvF1K3cqql
施工業者(工事監理会社)はどこ?
現場付近の道路の舗装を請け負った可能性がある会社はこちらです。
・大成ロテック株式会社(越谷市の事故現場は大成ロテックが請け負ったことが分かっています)
・伊藤組土建株式会社(近辺の東埼玉道路の請負業者のひとつ)
調査が進むにつれて業者は判明するかと思われます。
特に埼玉県の八潮市・越谷市付近では近年陥没事故が多く発生しています。
自治体が適切な管理計画を立てられていなかった場合、施工業者や工事管理会社の管理や計画がずさんになっていたかもしれませんね。
越谷市との事故の関連性
埼玉県の陥没事故は直近5年で3件以上発生しています。
①国道4号下り車線での陥没
2022年1月25日には越谷市の国道4号下り車線で原付バイクに乗っていた女性が陥没箇所により転倒し、一時意識不明になっていました。
→現場は大成ロテック株式会社が施工していることが分かりましたが、施工不良を認めるまで半年以上かかっています。
②国道4号大間野交差点付近での陥没
2024年7月24日にも、今回の陥没現場から約10km離れた越谷市の国道4号大間野交差点付近で”地下水路の破損”による陥没事故が起こっています。
引用:日経XTECH
まとめ
今回の事故は、中川流域下水道管の破損による下水道管の老朽化が原因ではないかと言われています。
また、施工業者についてはまだはっきりとは分かりませんでした。
巻き込まれてしまったトラック運転手の無事を祈るとともに、早期の復旧を願うばかりです。